組織に所属している間は、巨大な看板や確立された信用力に守られている側面が極めて強いといえます。毎月決まった日に給与が振り込まれ、面倒な手続きも代行してもらえるシステムの中で生活を営んでいるのが実情です。
しかし、独立して自らの事業を営む道を選んだ瞬間から、その見えない保護膜は完全に取り払われてしまうでしょう。これまでは組織の一員としての役割を果たすことで対価を得ていましたが、これからは一人の人間として、提供する価値そのものが厳しく問われる環境へと劇的に変化します。
看板がない状態で顧客から信頼を勝ち取り、契約を結び、納品して対価を受け取るプロセスは、想像以上にシビアな現実を突きつけてきます。そこに一切の甘えは許されません。
意識改革において最も重要な点は、受動的な姿勢から能動的な姿勢への完全なる転換です。組織内では指示や既存の業務フローに従うことが正解とされる場面も多くありますが、独立後はすべての行動指針を自ら決定し、実行しなければなりません。
仕事が来るのを待つのではなく、自らの足で需要を探し、ゼロから仕事を創り出す気概が不可欠となります。すべての判断と結果責任を一人で負う覚悟こそが、独立後の生存率を大きく左右する要因と言っても過言ではありません。組織への依存心を断ち切り、一人の事業者として対等に社会と対峙するマインドセットの確立が、具体的な技術や知識の習得よりも優先して求められます。
精神的な自立が完了していなければ、いかに高い専門スキルを持っていたとしても、不安定な環境下で成果を出し続けることは困難でしょう。個として立つ強固な意志を持つことこそが、不確実な世界を生き抜き、新たなステージで成功を掴むための第一歩となるのです。